小倉城庭園

小倉城庭園とは

北九州市立小倉城庭園は、小笠原家の別邸であった下屋敷(御遊所)跡を復元した大名庭園と、江戸時代の典型的な武家書院を再現した文化施設です。さらに、茶室や展示棟を備え、歴史や伝統文化に触れられる場所となっています。

小倉城を築いた細川家の後を継ぎ、234年間にわたって城主を務めた小笠原家は、徳川幕府の有力な大名でした。

また、小笠原家は全国の小笠原一族の総領家でもあり、「小笠原流礼法」の宗家としても知られています。礼法とは、「思いやりの心」と「もてなしの心」を大切にする、日本の伝統的な文化の一つです。

小倉城庭園では、この礼法の歴史や精神を紹介し、伝統的な生活文化を後世に伝えることを目的としています。礼法をテーマにした施設としては、日本で唯一の貴重な存在です。

また、小倉城庭園はビルに囲まれた都心にありながら、江戸時代の雰囲気を感じられる北九州市の名所です。小倉城とともに歴史を感じながら、抹茶を味わい、自然と文化の薫りに浸り、静かで落ち着いた時間を楽しむことができます。

小倉城庭園の歴史

慶長7年(1602年)、松井康之が主君・細川忠興とともに中津藩から小倉藩へ移る際、この地に屋敷を建てました。

その後、寛永9年(1632年)、細川氏に代わり小笠原忠真が入国し、小倉藩の統治を開始。

この時期、小笠原家の家臣である宮本武蔵の子・宮本伊織と、忠真の父・小笠原秀政の家臣である小笠原主水が、この屋敷を二つに分けて住んでいたと伝えられています。

やがて、小笠原忠苗の時代に、和歌や茶道を楽しむための下屋敷が完成。

この屋敷は天守のすぐ下に位置していたことから、「御下屋敷(おしたやしき)」と呼ばれていました。

しかし、慶応2年(1866年)の第二次長州征討の際、御下屋敷は焼失。

その後、この場所には時代の変遷に合わせてさまざまな建築物が整備されてきました。

現在、建物は変わっているものの、庭園の位置は当時とほぼ同じと考えられています。

小倉城庭園案内

日本庭園

この庭園は、池を巡りながらさまざまな景観を楽しめる「池泉回遊式」庭園です。

最大の特徴は、池の水面が周囲よりもかなり低く設計されている「のぞき池」であることです。

また、「浮見の庭」とも呼ばれ、書院の広縁から庭全体を一望することができます。

四季折々の風景が楽しめ、季節ごとに異なる趣を感じられる庭園です。

書院棟

この建物は、日本の伝統的な建築様式である書院造の本格的な木造建築です。
内部は、「上段の間」「一の間」「二の間」「取次の間」などで構成されており、それぞれ18帖の「一の間」と「二の間」は、襖と欄間で仕切られ、独立した座敷として使用できます。
また、広縁の一部が池に張り出した「懸造り」になっており、眼下に広がる庭の美しい景色を楽しむことができます。

書院棟での特別なひととき

甘味処

小倉城庭園では新たに甘味処を設けることとなりました。

通常開園日の10時~16時まで、ご予約なしでどなた様でもご利用いただけます。従来の立礼席でのお抹茶体験、書院棟でのアフタヌーンティーとはまた一味違う、カジュアルな雰囲気の中でドリンクやスイーツをお楽しみいただけます。
甘味処の詳細はこちら

アフタヌーンティー

解放感溢れる庭園を見ながら、
目の前で点てたお抹茶と共にいただくアフタヌーンティーセット。

アフタヌーンティーセットには、季節毎の生菓子や洋菓子などを中心に揃えております。
季節により、提供する商品が異なりますこと、ご了承ください。

書院棟では、毎日営業する甘味処や、不定期開催のアフタヌーンティーを楽しむことができます。

美しい庭園を眺めながら、優雅なひとときをお過ごしください。
また、結婚式の前撮りや特別な撮影にもご利用いただけます。
歴史と伝統が息づく空間で、大切な思い出を残してみてはいかがでしょうか。
さらに、書院棟の広縁に「書院特別席」を開設。
庭園を眺めながら、上質なお菓子とお抹茶をゆったりと味わうことができます。
静寂の中で、日本の美を感じる贅沢な時間をお楽しみください。

甘味処の詳細はこちら

アフタヌーンティーの詳細はこちら

展示棟

常設展示では、「贈る」「味わう」をテーマに、日本の伝統文化である礼法の歴史を紹介しています。
その起源から発展、そして暮らしの中への広がりまでを、分かりやすく解説しています。

また、「食事のマナー」や「贈答のマナー」を切り口に、現代の暮らしの中に息づく礼法を紹介。
さらに、小笠原家に伝わる武家の礼法や茶道に関する展示も行っています。
「和」の精神に基づく日本の礼法が、公家社会から中世の武家の儀礼や作法を経て、どのように発展し、現代へと受け継がれているのかを詳しく解説しています。

企画展示室では、伝統文化に関する多彩な企画展を開催。

また、研修室も備えており、多目的な用途で利用できます。
「食事のマナー」・「贈答のマナー」を切り口に現代の暮らしの中にある礼法を紹介しています。

企画展示室

日本の伝統文化や歴史に関する、さまざまなテーマの企画展を開催しています。

生活文化にまつわる展示はもちろん、刀剣や武家文化など、多彩で魅力的な展示を企画し、訪れるたびに新たな発見をお楽しみいただけます。


城見テラス

小倉城天守閣が眼前に迫る、絶景のフォトスポット。

この場所からは、

現代的な建物が一切映り込むことなく、天守閣の美しい姿を撮影できます。

歴史の趣をそのままに、迫力ある天守閣の風景をぜひお楽しみください。


日本文化体験

小倉城庭園では、日本の四季を感じながら、伝統文化を本格的に体験し学ぶことができます。

茶道体験は一年を通してほぼ毎日実施しており、小倉織体験も通年でご利用いただけます。

歴史ある空間で、日本の美しい所作や精神を体験しながら、心落ち着くひとときをお過ごしください。

茶道体験

小倉城庭園では、立礼席(机と椅子のお茶室)にて、抹茶(煎茶)と季節の御菓子を提供しています。

一年を通して予約不要で、お点前を眺めながら本格的な茶道体験ができる、全国的にも珍しい施設です。

※状況により、お点前の実施がない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

また、書院棟の広縁で庭園を眺めながら、抹茶と御菓子を楽しめる「書院特別席」もご利用いただけます。

この貴重な体験をぜひお楽しみください。

立礼席

営業時間10:00~16:00
定休日12月28日~31日
金 額お一人様 1,200円

書院特別席

営業時間10:00~16:00
定休日12月28日~31日
金 額お一人様 1,500円

平日や土曜日は小倉城庭園の呈茶専門スタッフがお抹茶を提供いたします。

日曜日や祝日は、北九州市内の様々な先生方に当番をお願いしています。

上旬:福梅
下旬:水仙

文化講座

また、文化講座も開催しており、室町時代より確立された小笠原流礼法や香道、茶道を各講師から学ぶことができます。

初心者から経験者まで、すべての方が対象となっており、多彩な日本文化を深く味わうことができます。

文化講座の詳細はこちら

貸間利用

小倉城庭園は、文化の薫る街づくりを目指す北九州市の伝統文化の拠点として、市民の皆さまに和室・研修室・書院棟をお得な料金で貸し出しています。

ぜひ、ご利用ください。

貸間利用の詳細はこちら

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